カレンとセレン
カレンはミールと呼ばれた侍女の腕をとり
その肘のあたりに手をかざすように空で静止した。
すると、カレンの手から
キラキラと輝く光が出始め
ミールの肘のあたりを優しく包みこんだ。
その光が消えると
ミールの肘にあった擦り傷は
跡形もなくなっていた。
「よしっ!これで大丈夫ね。」
「…わぁ。カレン様、ありがとうございます!」
「たいしたことないわ。
じゃあ、次は膝を治しましょうね。」
そう言うとカレンは
さっきと同じようにミールの膝に手をかざす。
間もなくミールの膝が光に包まれ
その光が消えたころには
ミールの膝から傷は消えていた。
「ありがとうございます!
やっぱりカレン様の魔法はすごいですね!
私には絶対に治癒(ちゆ)魔法は出来ないですよ。」
「そんなことない。
ミールなら絶対に出来るわ!」
「そうですか?
でもカレン様はとってもすごいです」