カレンとセレン

カレンはミールと呼ばれた侍女の腕をとり
その肘のあたりに手をかざすように空で静止した。


すると、カレンの手から
キラキラと輝く光が出始め
ミールの肘のあたりを優しく包みこんだ。


その光が消えると
ミールの肘にあった擦り傷は
跡形もなくなっていた。



「よしっ!これで大丈夫ね。」


「…わぁ。カレン様、ありがとうございます!」


「たいしたことないわ。
じゃあ、次は膝を治しましょうね。」



そう言うとカレンは
さっきと同じようにミールの膝に手をかざす。


間もなくミールの膝が光に包まれ
その光が消えたころには
ミールの膝から傷は消えていた。


「ありがとうございます!
やっぱりカレン様の魔法はすごいですね!
私には絶対に治癒(ちゆ)魔法は出来ないですよ。」


「そんなことない。
ミールなら絶対に出来るわ!」


「そうですか?
でもカレン様はとってもすごいです」
< 10 / 12 >

この作品をシェア

pagetop