カレンとセレン




カキンッ



剣の交わる音が聞こえた。



「ティアナ!!
早く子供たちを…

くっ…」



彼女が後ろを振り返ると
大勢の兵士と夫の姿が見えた。



そして、自分のほうにも兵士が迫ってきている。




「ポニーたち!
早く行って!!

遠く離れた場所まで…
早く!」



彼女が叫ぶと二頭の子馬は
ヒヒンと一鳴きし闇の中へと消えて行った。



それを見送ったとたん
兵士を振り切った夫が彼女の手を掴んだ。



「漆(ナナ)ゆりの塔へ行こう。」



彼女らは塔へと走り出す。













< 5 / 12 >

この作品をシェア

pagetop