カレンとセレン
「いいえ。
ミロードが私の隣に居てくれるだけで、それだけで…幸せだから。
どんな時もそばに居てくれるミロードが好きなの。
それがもし命の灯火(トモシビ)が消えかかっていても。」
彼女はキラキラと瞳を輝かせ、まっすぐ彼を見つめる。
「ありがとう…、ティアナ。
愛してる。」
「私も…愛してる。
とっても、愛してる。」
そして二人の影が重なった。
「子供たちは大丈夫だろうか。」
「大丈夫よ、きっと。私たちの子供よ?」
「だから、心配なんだが?」
「あら?私を疑っているの?」
「そんなことはないよ。
ただ、本当に幸せになってほしい。
それだけだよ。」
「そうね。どうか、幸せな未来を…」
天高く舞い上がる炎は
その二人の影をゆっくりと包みこんでいった。
その国の王と王妃を…。
プロローグ end.