夏休み
家のドアを思い切り開けた。
「ただいまー」
俺はシューズを乱暴に脱ぎ捨ててまっしぐらに台所へ走って行った。
「お帰り!まぁ、汗だくじゃない。シャワーでも浴びて来なさい」
冷蔵庫の中に入っているジュースを一気に飲んだ俺を見ながらそう言ったのは母さんだった。
「あれ?星也帰ってたんだぁ」
横からひょこっと出て来たのは兄の流汰(リュウタ)だった。
流汰は中学2年生だ。
「星也、早くシャワー浴びて来いよ。スイカあるぜ!」
流汰は冷えたスイカを片手にそう言った。