夏休み
「だらしないからやめろよ。こっちまで恥ずかしくなるじゃないか」
「あぁ?暑いんだから仕方ねぇじゃん。いちいちうるさい奴だな」
俺と流汰は暑さのせいで小さな事で喧嘩をしながらおばあちゃん家へ向かった。
「………」
電車の窓から見る景色はすごく良いものだ。
普通の景色なはずなのに、何故か電車だとすごく良いものに感じる。
ずっとずっと、眺めていても飽きない。
そんな俺を見た流汰はクスッと笑い、俺を小馬鹿にする。
「お前って本当、ロマンチストだよな~」
俺は恥ずかしくなった。
確かにそうなのかもしれない。
でもそれが兄に馬鹿にされるのが嫌だった。