BLACK



え、なんて声が漏れる前にあてがわれたそれはとんとんと私の首筋を軽く叩いた。

背筋に悪寒が走る。身体の動きは硬直していて、身動き一つ取れそうにない。


額からは冷や汗が噴き出す。まるで全身から血を抜かれたように顔を真っ青にする私を見、゙黒゙は愉快と言わんばかりに微笑した。



それでも反抗出来ないのは、本当に私がそうなりそうな状況にいるからだ。




「驚いた?それとも、恐怖しているか?」

「…っ、」

「君が災難すぎて、…すまない。」




―――久々に興奮しているようだ、笑いが止まらないよ。



そう言っだ黒゙は、クツクツと喉を転がすように嫌みったらしく笑っている。

人にこんなもの向けておきながら、興奮しているなんて。慣れているらしい行為なだけたちが悪い。





「コレが何か、分かる?」

「……。」

「見えてるかい、この綺麗な刃(やいば)が。」

「……、…鎌…。」

「正解!」



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