アイドル拾っちゃいました
 俺がギョッとしてると、


「ねこちゃんに会いたいって言うので、みんなを連れて来ちゃいました」


 とヤコちゃんは言った。みんなって……?


「上がらせてもらっていいですか?」


「あ、はい。どうぞ」


 そう言って後ろに下がると、ヤコちゃんに続いて入って来たのは、ちょっと背が低く、高校生ぐらいにしか見えない子だった。その子は俺の顔をジトーって感じで見上げていたが、不意に俺の背後に視線を移し、「おねえ!」と叫んだかと思うと、俺を退かすようにして駆け込んで来た。


 後ろを振り向くと、目をまん丸にしたねこが立っていて、その小さめな子に抱き着かれていた。


「ヒトミちゃん、来てくれたの?」


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