アイドル拾っちゃいました
 思わず俺は自分の耳を疑った。確かにねこは『我慢しなくていい』と言ったと思うが、果たして意味が解って言ったのかどうか……


「あのさ、俺が言った“我慢”って、どういう我慢か解ってる?」

 そう聞いたら、


「解ってるわよ。子供じゃないんだから……」


 そう言ってねこは顔を真っ赤にした。マジか!?


 まさかの展開に、俺の頭は思考停止……してる場合じゃないな。


「でも、俺は彼女持ちなわけで……」


「明美さんとは別れたんでしょ?」


「な、なんでそれを?」


「会話が聞こえちゃったから……」


「げっ!」


 あの時、ドアを開けっ放しだから、隣の部屋に隠れたねこに話が聞こえるんじゃないかと、確かに俺は心配した。しかしねこは、眠っていたはず……あっ。


「“タヌキ寝入り”だったのか!?」


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