アイドル拾っちゃいました
 おかげで俺は、連日睡眠不足だっちゅうの!


「うそつきにはお仕置きだー!」


「きゃっ」


 俺はねこに飛び掛かり、そのまま彼女をベッドに押し倒した。目を大きく見開き、赤い顔で下から俺を見るねこは、食べちゃいたいぐらいに可愛い。


 ピンク色したサクランボのような、小さいがポッチャリとしたねこの唇に俺の口を近付けると、ねこはその大きな目を閉じた。徐々に距離が縮まり、あと数センチでその唇を味わう事ができる。と、その時、俺はある事を思い出してしまい、やむなく行為を中断した。


「ねこ、大丈夫か? 無理しなくていいんだぞ?」


 そしてそう言うと、ねこはゆっくりと目を開き、不思議そうな顔で俺を見つめた。


「私……、初めてじゃないけど?」


「そうじゃなくて、男はもう懲り懲りなんじゃないのか?」


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