アイドル拾っちゃいました
「好きだよ」

「私も……」


 確かにねこはあまり経験がないらしく、はじめは恥じらいと硬さがあった。しかしゆっくり丁寧に愛撫をして行くと、次第に肌はほんのりピンク色に染まっていき、しなやかな肢体が波打ち始めた。その艶かしい姿態は、まさにネコのようだと思った。


「あん……」


 ねこの口から漏れる、切なげで甘い声を聞きながら、俺はなぜかヒロミンを想った。

 行為の最中に違う女を想うなんて、ダメだろ……

 そうは思うのだが、DVDで観たバラードを歌うヒロミンの、少しかすれたセクシーな歌声と、ねこのあえぎ声がどうしても頭の中で重なってしまうのだった……


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