アイドル拾っちゃいました
「何言ってるのよ。早く支度しないと遅刻しちゃうんじゃない?」


「休んじゃうかな、会社……」


「ダメでしょ? そういうの」


「ん……確かに」


 何も予定がなければ本当に休みたいところだが、今日はどうしても出ないといけない会議がある。残念ながら。


 せめて少しの時間でもねこに触れていたくて、俺はねこのお腹に腕を回し、体をピタッと密着させていた。ねこは動きづらいだろうけども。


「今朝は随分早起きなんだな?」


「そうよ。あなたに朝ごはんを食べさせたいと思って」


「ありがとう。でも、あんまり寝てないのに、よく起きれたな?」


 ねこは昨夜の事を思い出したのか、耳のあたりが瞬時に赤くなった。


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