アイドル拾っちゃいました
「そうだなぁ。ねこもかなりセクシーだからなぁ。いい勝負かも」


「ニヤけやがって、こいつ……」


 顔に出ちまったか。


「おい、もう“ネコ”とか言うなよ。その子の名前を教えろよ」


「あ、俺も知らないんだ。本人が“ねこ”と呼べって言うからさ……」


「ふーん。愛称か何かかな。ひょっとすると苗字が“金子”なのかもな?」


「“金子”だから“ねこ”かぁ。なるほど、おまえ鋭いな?」


「そうでもねえだろう。普通はすぐそう連想すると思うぞ? “金子”かぁ、何か引っ掛かるなぁ」


「何が? どう引っ掛かるんだ?」


「ん……分からねえ。どこかで聞いた苗字なんだが、何だったかなぁ」


 川島は「うーん」と唸っていた。金子なんて苗字はそう珍しくもないから、誰か知り合いでもいるのだろう。その時の俺は、その程度にしか考えなかった。


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