アイドル拾っちゃいました
 もたもたしてたら女が出ていっちまう……って、おい。それならそれでいいじゃねえか? 面倒がなくなるんだから。


 そう思いつつも、俺は急いでTシャツとスウェットのパンツを履いて居間へ行った。そしてソファーに腰掛けた女を見て、ホッと胸を撫で下ろしたのは否定しようのない事実だった。


 女は、表情のない顔でジーッと俺を見上げている。品定めをしてるって感じだ。


 俺は敢えて平然を装い、タオルで頭を拭きながら女の横に座った。座る場所がそのソファーしかないからだ。


 女は腰をずらし、俺との距離を開けた。


「さてと、君には聞きたい事がいっぱいあるなぁ」


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