アイドル拾っちゃいました
「やってるわね」


 家のテレビの4倍はあろうかという大画面のテレビに、社長の緊急記者会見の様子が映し出されていた。

 五十嵐京子は、画面を見ながら3人掛けくらいのソファーに座り、俺も十分隙間を開けてその横に腰掛けた。


『それでは、藤森社長は以前からそのマネージャーさんの婚約者の事は知っていたんですね?』


『もちろんです』



「婚約者!?」


 つい大きな声を出してしまい、五十嵐京子とスタッフ達から睨まれてしまった。しかし五十嵐京子から“恋人”とは聞いていたが、婚約者とは聞いてないぞ。


「社長ったら、また勝手にアドリブを……」


 ああ、そういう事か。どうせ嘘なんだから何と言われてもいいや、とも思うが、俺の周囲の人間が真に受けたら後が面倒だよなぁ。


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