アイドル拾っちゃいました
『えらい騒ぎになっちまったな?』


 俺を労るような川島の声と言葉に、不覚にも俺はジーンと来てしまった。


「ああ、まったくだよ」


『おまえ達、今どうしてるんだ?』


「俺はプロダクションのビルの中で軟禁状態さ。個室を宛てがわれて、まあ、ホテルにいるようなもんだな」


『なるほど。ヒロミンは?』


「同じビルの中にいるはずだけど、わからねえ。会わせてもらえないんだ。これからも、ずっと……」


『やっぱりそうなるよな……』


 俺は「ああ」と返したが、重たい沈黙が流れた。


『ま、ほとぼりが冷めれば何とかなるって』


 その沈黙を破るように、川島は明るい声でそう言った。


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