アイドル拾っちゃいました
「時間ですか? 今、移動中なので、あまり時間が……」


「少しだから。3分、いや2分でいい。ダメかな?」


「それぐらいなら、いいですよ」


 ヤコちゃんはクスッと笑い、ソファーに座り直した。


「ありがとう。実はヤコちゃんに紹介したい人がいるんだ。そいつは俺の親友で、ベリーズ、てかヤコちゃんの大ファンなんだ」


「男の人なんですか?」


 ヤコちゃんは途端に怪訝そうな顔をした。“やっぱり帰ります”とか言い出しそうで、俺は慌てて立ち上がると、「変な奴じゃないから大丈夫。ちょっと待ってね?」と言ってポケットから携帯を取り出した。


 川島の携帯を呼び出しながらヤコちゃんから少し離れると、4~5回めのコールで川島が携帯に出た。


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