アイドル拾っちゃいました
「おまえ、何言ってんだよ? ヒロミンに会いたくねえのかよ?」


「会いたいさ。めちゃくちゃ会いたいよ、宏美に……」


「だったら……」


「客席から見るだけじゃ嫌なんだ。我慢するのは辛いし、最前列じゃその自信もない」


「と言うと?」


「ステージに上がって彼女に抱き着くかもしれない」


「おい、それはダメだろう。せっかく世間はおまえを忘れかけてるのに、また大騒ぎになるぞ?」


「わかってる。だから俺は行かない方がいいんだ」


 これで川島も納得してくれただろう、と思ったのだが……


「その時は俺がおまえを止めてやるよ」


「はあ? いつ俺が限界を超えるかわからないんだぜ? 気が気じゃなくておまえが楽しめないぞ。いいのかよ?」


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