アイドル拾っちゃいました
行き先は人の良さそうな運転手さんに任せ、俺は改めて宏美の顔を見た。俺が知ってる宏美の顔とはだいぶ違う、バッチリメイクしたヒロミンの顔だけど。
「宏美って呼んでいいのかな。それともヒロミンって呼ぶ?」
「宏美って呼んで?」
「ん、わかった」
と言ってから俺はハッとした。うっかり“ヒロミン”って言っちまったけど、運転手さんに聞かれたのではないだろうか。
前を見たら、ルームミラー越しに運転手さんと目が合った。すると運転手さんは目を細め、
「わかってますよ。私もベリーズの大ファンですから」
と言った。
「私は個人タクシーで自由なんで、今夜もあそこで待ってたんですよ。ベリーズの誰かを一目でも見られたらいいなと思いましてね。言ってみれば出待ちですね。そしたら一番好きなヒロミンが飛び出して来て、しかも乗ってくれたんでびっくりしましたよ。ベリーズの誰かを乗せるのが夢でしたから、もう嬉しくて嬉しくて……」
「宏美って呼んでいいのかな。それともヒロミンって呼ぶ?」
「宏美って呼んで?」
「ん、わかった」
と言ってから俺はハッとした。うっかり“ヒロミン”って言っちまったけど、運転手さんに聞かれたのではないだろうか。
前を見たら、ルームミラー越しに運転手さんと目が合った。すると運転手さんは目を細め、
「わかってますよ。私もベリーズの大ファンですから」
と言った。
「私は個人タクシーで自由なんで、今夜もあそこで待ってたんですよ。ベリーズの誰かを一目でも見られたらいいなと思いましてね。言ってみれば出待ちですね。そしたら一番好きなヒロミンが飛び出して来て、しかも乗ってくれたんでびっくりしましたよ。ベリーズの誰かを乗せるのが夢でしたから、もう嬉しくて嬉しくて……」