アイドル拾っちゃいました
「ああ、それと……、これと、これをどうぞ」
そう言って高山さんが渡してくれたのは、虫除けスプレーと名刺だった。
「ヒロミンが蚊に刺されたら大変ですからね。あ、旦那さんも一応……」
俺は一応かい、と心で突っ込みつつ、
「神谷です。神谷暁といいます」と名乗った。高山さんに敬意をはらって。すると高山さんは、
「いいお名前ですね。いい土産話が増えた」とか言って嬉しそうに笑ってくれた。
高山さんの名刺を手に取り眺めていたら、
「私は近場を流してますから、帰る時にそこに電話してください。誰かに見つかったら面倒ですからね」
と高山さんは言った。帰りの事まで気遣ってくれるなんて、なんて優しく、気の利く人なんだろう……
走り去るタクシーを見ながら、「私、今度からタクシーを呼ぶ時は高山さんを指名しようかしら」てな事を宏美は言った。
そう言って高山さんが渡してくれたのは、虫除けスプレーと名刺だった。
「ヒロミンが蚊に刺されたら大変ですからね。あ、旦那さんも一応……」
俺は一応かい、と心で突っ込みつつ、
「神谷です。神谷暁といいます」と名乗った。高山さんに敬意をはらって。すると高山さんは、
「いいお名前ですね。いい土産話が増えた」とか言って嬉しそうに笑ってくれた。
高山さんの名刺を手に取り眺めていたら、
「私は近場を流してますから、帰る時にそこに電話してください。誰かに見つかったら面倒ですからね」
と高山さんは言った。帰りの事まで気遣ってくれるなんて、なんて優しく、気の利く人なんだろう……
走り去るタクシーを見ながら、「私、今度からタクシーを呼ぶ時は高山さんを指名しようかしら」てな事を宏美は言った。