アイドル拾っちゃいました
「俺が断ったらどうするんだ?」


「他を探します」


「どこか“当て”はあるのか?」


「ありません」


「そっか……」


 俺は咄嗟に想像した。生意気だがウブそうなこの女が、悪い男に引っ掛かり、乱暴され転落して行く姿を……


「わかった。ここにいていいから、変な男に着いて行くんじゃないぞ?」


 女はちょっと首を傾げてから、


「ありがとう」と言った。


 これはえらい事になったなぁ、と思うと同時に、楽しくなったなと思う俺がいた。


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