アイドル拾っちゃいました
 どこかの店で飯でも、と言ったのだが、女は人ごみが嫌だそうで、惣菜コーナーで食い物を買い、俺達はアパートに戻って来た。


 居間で俺は買って来た食い物を肴に、缶ビールを飲んでいた。大して面白くもないテレビを眺めながら。


「ああ、サッパリした……」


 とか言いながら、女が風呂から、正確にはシャワーだが、上がって来た。ちょっと期待して振り向いたら、買ったばかりのスウェットのパンツを履いていた。

 例の美脚がピンクに染まったところを見たかったのだが、残念だ。

 なんてな。そんな日には、きっとムラムラして困っただろうから、むしろ隠してもらって有り難いかもしれない。


「ドライヤーってないの?」

「おお、あるよ。ちょっと待って?」


 俺は寝室からドライヤーを持って来て、プラグをコンセントに刺してやった。


「やってやろうか?」

「え? い、いいわよ、自分でやるから」

「あ、そう」


 ちょっと調子づいちまったようだ。


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