アイドル拾っちゃいました
 ああ、つまりあだ名が“ねこ”ってわけか。


「しかし紛らわしいなぁ……」


「え?」


「ネコが来た」


「え、なに?」


 どこかで昼寝をしていたらしいパーシーが、太い腹を左右に振りながらノロノロと歩いて来た。


「ほら、ネコだよ」


「わあ、可愛い……」


 ねこは、そう言ってネコを抱き上げた。と書くと、やっぱり紛らわしいよなぁ。

 パーシーのやつ、ねこに頭を撫でられ喉をゴロゴロ鳴らしてやがる。節操のない奴だ。


「もう一匹いるんだぜ?」


「ほんとに!?」


 なんて、ねこが黄色い声を上げた時、


ピンポーン


 部屋のチャイムが鳴った。


< 34 / 253 >

この作品をシェア

pagetop