アイドル拾っちゃいました
「ひ……」

「シッ」

「あ、ねこちゃん、心配したんだからね!」

「ほんと、ごめん!」


 なんて二人は話し始めた。ヤコちゃんという女は、いま“ひ”なんとかって言いかけたような……


「こんなに早く来てくれるとは思わなかったよ」


「ちょうどね、こっち方面に移動中なの」


「あ、そうなんだ……」


 俺そっちのけで会話する二人に向かい……


「ねこ……さん。知り合いなら、上がってもらったらどうかな?」


 と言ってみたのだが、


「それはいいから、少し外してくれませんか?」


 と、ねこに言われてしまった。キッパリと。

 ここは俺の家なのに……と思いながらも、「はいはい」と言って俺は二人から離れるのだった。


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