アイドル拾っちゃいました
「そうしたいのは解るけど、おまえは外に出ない方がいい」


 俺は当然の事としてそう言ったのだが、

「どうして?」


 ねこはさも不思議そうに首を傾げた。俺が気付いてないとでも思ってるのだろうか。


「だっておまえ、追われる身だろ?」


 ズバリそう言ってやると、ねこは目を丸くして驚いていた。


「どうして知ってるの?」

「どうしても何も、帽子被ってサングラス掛けて、人目を気にするってそういう事だろ?」


 “どうだ、図星だろ?”ってな顔をした俺を、ねこは値踏みするかのようにジーッと見て、


「あなた、どこまで気付いたの?」

 と言った。


「大体の事はわかったと思うよ」


「何がわかったの? 言ってみて?」


 真剣な顔でねこに詰め寄られ、俺はねこに関する自分の考えを話す事にした。かなり自信のある推理を。


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