アイドル拾っちゃいました
「そ、そっか。お、俺も風呂入ってくるわ」


 俺はスクッと立ち上がり、ねこから離れた。

 ヤバイヤバイ。頭冷やさないと、ねこを襲っちまいそうだ。ヒロミンを観て、興奮したのがいけなかったんだな。たぶん。



 湯船に漬かり、手で湯をすくって顔をこすり、「ふぅー」と声を漏らしつつ、俺はある事に気付いてドキッとした。それは、この湯にはねこも漬かったはず、という事実。


 あの艶かしいねこの身体が漬かった同じ湯に俺も漬かり、その湯を顔に掛けたりしているという事実。想像を逞しくしていたら、またムラムラしてしまった。明美の時はそんなの考えた事もないのに……


 いかんいかん、違う事を考えなくては……


 ねこと言えば、何であんなにベリーズを毛嫌いするんだろうか。確かに好みは人それぞれだから、俺みたいに一発で好きになる奴もいれば、逆に嫌いだって奴もいるだろう。しかしそのわりには、ベリーズに詳しいのはどうしたわけだ?

 いくらベリーズが有名だからって、出したCDの数をすっと言えるもんだろうか?

 ねこって、不思議な奴だよなぁ……


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