アイドル拾っちゃいました
 時計を見ると、朝と言うのは少しおこがましいような時刻だった。夕べは明け方になってようやく眠れたわけで、朝寝坊は当然だと思うが。


 よろよろと起きだし、顔とかを洗って居間に入ろうとしたら……、

「うわっ」

 顔の前に白いものが有り、行く手を阻まれてしまった。その白いものとは、ねこの脚だった。ねこが壁に向かって脚を上げていたのだ。


「お、おまえ、何やってんだよ?」


「ストレッチよ? 体がなまっちゃうから」

 ねこは、脚を上げたままそう言った。


「あ、そう……」


 それにしても長い脚だし、よくこんなに高く上がるものだと思う。つま先は、俺の頭の上ぐらいの位置にあった。


 視線をゆっくりとその美脚の下、つまり脚の付け根に移動していったら、それに気づいたのか、ねこは脚を下ろしてしまった。うーん、ちょっと残念。



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