オリガク! -折舘東学園の日常的(恋)騒動-
「購買見に行く? 大したもの残ってないと思うけど」
「んー……」
気のない返事の次は、眼光鋭い眼差しと、触れるだけのキスだった。それは段々と長く、絡ませるものに変わり、私は後頭部と腰に添えられた手に応えるように、虎鉄の首に腕をまわしていた。
「ひゃっ! ちょ、何してるの!?」
腰にあったはずの手が、潔いほどしっかりと胸を包んでいる。
「ここ学校っ」
「先輩がそれ言っちゃいけないと思うんすけど」
「昔のことは引き合いに出さないでほしいんですけど……っダメだってば!」
人の胸を揉む前に話を聞こうか!?
虎鉄の両肩を押し返しても、首筋を舐めてくる舌もセーラー服の中に侵入してきた手も、突っぱねることができない。
腰をがっちり掴まれているせいで身をよじることもできないんだけど! どうする、私!
「先輩、すっげぇいい匂いする」
「……、そう?」
って違う! ほだされるな私! 断固拒否の姿勢を崩してはならない!
というのに体が反応してしまう私に、虎鉄の手は休むことがない。
まずい……このままじゃ本当にここですることになっちゃう。ていうか急になんで? 放課後まで2時間もないんだから我慢すればいいのに、ブラがこんにちは状態になる必要性とは!?
「虎鉄! もういいでしょ! やめ……っんぅ、」
こ、の、男……! キスで言葉を遮られたあと、虎鉄はうるさいと言うように「シーッ」と口にした。
目と鼻の先で微笑む虎鉄は意地が悪い。