オリガク! -折舘東学園の日常的(恋)騒動-

「ヤンキーっていうか……まあ、相変わらず問題ばっか起こすんかなーって思わなくもない」


ミヤテンは中学時代を思い返したかのように苦笑し、ミーアは興味ないと言わんばかりに席へ戻りながら告げる。


「入学早々に停学くらってたあたり、優等生ではないだろうね」

「だよなぁ。がんばれー高遠」


全く励まされた気のしない応援を受け、私は自身に降りかかった絶望的な現状を目の当たりにする。


停学経験済みの問題児ふたりと、これから2週間も一緒に放課後を過ごさなきゃいけないってことでしょ……?


冗談じゃない。怖すぎる。休学したい。


「帰る! 精神的苦痛で2週間寝込むっ!」


そう私が取り乱せば、ミーアは「はいはい」と言いながら私の鞄を掃除ロッカーの上へ放り投げ、クラスメイトは「ふたりのあいだで揺れてるんだね」と私の精神的苦痛を妙な三角関係へと仕立て上げる。


「私に何かあったら許さないんだから……!」


半泣きで机に突っ伏すと、ミヤテンが「自分で言うセリフじゃねえべよ」と噴き出していた。



こんなに身の危険を感じているのに、面白がって。


あんな野獣に襲い掛かられでもしたら、私なんてコンマ1秒で組み敷かれるんだから!



++
< 31 / 197 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop