オリガク! -折舘東学園の日常的(恋)騒動-
「ヤンキーっていうか……まあ、相変わらず問題ばっか起こすんかなーって思わなくもない」
ミヤテンは中学時代を思い返したかのように苦笑し、ミーアは興味ないと言わんばかりに席へ戻りながら告げる。
「入学早々に停学くらってたあたり、優等生ではないだろうね」
「だよなぁ。がんばれー高遠」
全く励まされた気のしない応援を受け、私は自身に降りかかった絶望的な現状を目の当たりにする。
停学経験済みの問題児ふたりと、これから2週間も一緒に放課後を過ごさなきゃいけないってことでしょ……?
冗談じゃない。怖すぎる。休学したい。
「帰る! 精神的苦痛で2週間寝込むっ!」
そう私が取り乱せば、ミーアは「はいはい」と言いながら私の鞄を掃除ロッカーの上へ放り投げ、クラスメイトは「ふたりのあいだで揺れてるんだね」と私の精神的苦痛を妙な三角関係へと仕立て上げる。
「私に何かあったら許さないんだから……!」
半泣きで机に突っ伏すと、ミヤテンが「自分で言うセリフじゃねえべよ」と噴き出していた。
こんなに身の危険を感じているのに、面白がって。
あんな野獣に襲い掛かられでもしたら、私なんてコンマ1秒で組み敷かれるんだから!
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