オリガク! -折舘東学園の日常的(恋)騒動-

ブルゾンもそうだけど、スカートの下にハーフスパッツまで履いて、あえて女子らしさってものを薄くしようとしている気もする。


そういうのが好みなら、3種類から選べるんだし、ブレザータイプを選べば良かったんじゃないかなあ……。


セーラーなのは、私と同じものを着たかったとか?


何それちょっと可愛いじゃないの……!


「もっと早く紹介してくれれば良かったのにっ」


きゅうちゃんを慕ってくれる後輩と認識した私の頬は、自然と緩む。


「1年生とはまだ家庭科部の後輩くらいとしか話したことなくて。だから嬉しいっ」


虎鉄とバクも一応後輩にあたるけど、猛獣と珍獣にしか思えないしね! 女の子大歓迎!


「お~。嬉しいってさ。良かったなー、きゅう」


喜色満面であろう私にそろりと視線を向けたきゅうちゃんは、それをバクへ移した。


「今こそバンビ先輩に土下座して、友達になってくださいって言えるチャンスだぞっ」


……だから、もう友達でいいじゃん。なんで土下座する必要があるのよ。明らかにバクが見たいだけでしょ。


「おいバク。アホなことさせんな」

「はあん? トラだって土下座しろって言ってたべや」


え……虎鉄までそんなこと言ったの?


「それは俺に感謝しろってことで、先輩に土下座しろはちげぇだろ」

「いーや! 違くないね! 突き詰めれば、俺らが処分食らったのは、きゅうの存在そのものが元凶じゃねえか」


バクは腰に手を当て、仁王立ちで言葉を発する。
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