中指

「いつもお前を慰める、俺の身にもなってみろよ」

「頼んでないし……」

「まぁな、けど……」

そう言いながら、勇喜は中指でわたしの巻き毛を弄ぶ。


「ほっとけないだろ」


その指が、次第にわたしのうなじに伸びて……

円を描きながら、背中を探りはじめた。


「やっ……、くすぐったいってばっ!」


思わず身を起こしたわたしの目に、少し怒った勇喜の顔が飛び込んできた。
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