ショコラ SideStory
「詩子さん夕飯も食べてくよね」
「そうね。何食べたい? 買い物行く?」
「今日は詩子さん疲れちゃうだろうと思ってさ、俺、焼き鳥作っておいたんだよね」
「え?」
冷蔵庫から、串に刺された焼き鳥が出てくる。
あたしが来る前に何か台所でやっていたのって、もしかしてこれ?
「これ焼いて、ビールで乾杯しようよ」
「飲めないくせに」
「いいの。俺は詩子さんが酔っ払って機嫌いい時が一番好きなんだよね」
「……宗司さんってホント」
赤くなる頬を隠して、隣に立つ宗司さんによりかかる。
「……馬鹿」
ああもう、完敗。
あたしも馬鹿です。
馬鹿みたいにあなたが好きです。
もう何されてもいいわってくらい、あたし的には盛り上がってんだけど。
「あはは、そう? 詩子さん疲れたんでしょ、休んでなよ。俺が焼くから」
なんで言葉通りに受け取るのかな。もうホント、馬鹿馬鹿馬鹿!