ショコラ SideStory


「違う! 疲れたからっ」

「うん。だから休んで」

「休みたいんじゃないの。ご褒美にギュッてして」

「え……」


なんて恥ずかしいことを言わせるのよ、このあたしに。
ある意味宗司さんは最強だわ。

恥ずかしくて顔見れなくて、そのまま胸にギュッと抱きついたら。
宗司さんはようやく抱きしめ返してくれた。


「詩子さん」

「いや、離さないで」

「でも俺、そんな可愛いこと言われたら我慢ができないんだけど」

「だったら我慢なんてしなきゃいいでしょ」


そのまま宗司さんの体を押すようにして部屋へと押しこむ。


「あたしだって我慢なんかできないわ」


あたしの言葉を皮切りに、彼の優しいキスの雨が降り始めた。





【fin.】

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