ショコラ SideStory
** **
そして、約束の食事の日。
私と森宮ちゃんは、競うようにして仕事を片付け、約束の店の前で待つ。
今日のお食事は鍋専門店【U TA GE】。鍋というと和食なイメージだけど、この店は外観がおしゃれなレストラン風だ。落ち着いたダークブラウンの壁に仕切りのあるテーブル席は個室風で結構くつろげる。
実は元彼の庄司くんの行きつけの店で、夏に鍋を食べる楽しみも彼に教わった。すっかり気に入ってその後も行きつけにしているというのは隆二くんには内緒だ。
「ごめん、待った?」
続いてきたのは隆二くん。店を早く閉めてきてくれたのだろう。いつものスタイルからエプロンをとっただけだけれど、外で見る隆二くんはまた違った雰囲気がある。
「こんにちは、隆二さん。ご無沙汰しております」
「こんにちは、森宮さん。またいつでもいらしてください」
ふたりは頭を下げながらお決まりの営業トークをしている。
それにしても、香坂くんは遅い。
待ち合わせ時間からもう十分。森宮ちゃんはなぜ平気な顔で待っていられるのかしら。
「遅くない? 電話してみたら?」
「香坂さん、いつもこんなもんです」
「はぁ?」
事も無げに答える森宮ちゃんに、思わず苛立ちをあらわにした返事をする。
もっと怒りなさいよ。待たされてるのよ?
いつもこんなものなんて、慣れきってどうするのよ。
「あの人、間が悪いっていうか、出ようとするとトラブルに遭うんだよね」
同意するように頷く隆二くん。
二人とも、待たされても全然平気そうな顔して信じられないわ。
そして、約束の食事の日。
私と森宮ちゃんは、競うようにして仕事を片付け、約束の店の前で待つ。
今日のお食事は鍋専門店【U TA GE】。鍋というと和食なイメージだけど、この店は外観がおしゃれなレストラン風だ。落ち着いたダークブラウンの壁に仕切りのあるテーブル席は個室風で結構くつろげる。
実は元彼の庄司くんの行きつけの店で、夏に鍋を食べる楽しみも彼に教わった。すっかり気に入ってその後も行きつけにしているというのは隆二くんには内緒だ。
「ごめん、待った?」
続いてきたのは隆二くん。店を早く閉めてきてくれたのだろう。いつものスタイルからエプロンをとっただけだけれど、外で見る隆二くんはまた違った雰囲気がある。
「こんにちは、隆二さん。ご無沙汰しております」
「こんにちは、森宮さん。またいつでもいらしてください」
ふたりは頭を下げながらお決まりの営業トークをしている。
それにしても、香坂くんは遅い。
待ち合わせ時間からもう十分。森宮ちゃんはなぜ平気な顔で待っていられるのかしら。
「遅くない? 電話してみたら?」
「香坂さん、いつもこんなもんです」
「はぁ?」
事も無げに答える森宮ちゃんに、思わず苛立ちをあらわにした返事をする。
もっと怒りなさいよ。待たされてるのよ?
いつもこんなものなんて、慣れきってどうするのよ。
「あの人、間が悪いっていうか、出ようとするとトラブルに遭うんだよね」
同意するように頷く隆二くん。
二人とも、待たされても全然平気そうな顔して信じられないわ。