ショコラ SideStory
「キレイね」
「ああ。プレゼント用にオーダーで作ってもいいかなと思ったりして。これは母の日用の試作。どう? 康子さんだったらもらったら嬉しい?」
「嬉しいわね。メッセージとか描いてあったらなお嬉しいわ」
「メッセージね。なるほど。もうちょっと大きなクッキーのほうがいいのかな」
「こういうの、詩子が得意そうよ。少し提案させてみれば?」
「うん。……そうだな。でも、このアイシングがアイツにできるかな」
「させなきゃ何時まで経っても出来ないわよ?」
「なるほど?」
納得したように頷きはするけど、隆二くんとしてはまだまだ任せる気は無いって感じ?
私はコーヒーを一口すすり、クッキーも味見する。
うん。美味しいわ。
バターたっぷりって感じ。
いくらで売る気だか知らないけど、材料費を安くあげようとかそういう考えは全くないのね?