ショコラ SideStory
「そうかな」
「そうよ」
「……でも、相手は宗司だしなぁ。どうもアイツは頼りなくて」
「まあそうね。でも私は宗司くんだからこそ納得する部分もあったけど? 隆二くんにちょっと似てるわよね?」
「は?」
キョトンとした顔でまじまじと見られる。
何よ、当人は自覚なし?
「似て……るか?」
「見た目じゃないわよ。中身。あなたを気弱にしたらあんな感じじゃない」
「そうかぁ?」
嫌そうな顔。笑っちゃう。
「これからいい男になるわよ。そうね、この塾がそれなりに軌道に乗って、自分に自信がついてきたら。詩子のことも本気みたいだし。もう大人同士なんだから二人に任せてみなさいよ」
言っても言っても、隆二くんの顔が戻らない。
ああもう、だんだん妬けてきたわ。
詩子のことばっかり心配して。
私のことはどうでもいいの?