ショコラ SideStory
「カウンター座っていい?」
「どうぞ。ご注文は?」
「後で良いわ。先に他のお客さんの相手してらっしゃい」
そういってカウンターの一角に腰を下ろす。
パタパタと歩き回ってる合間に、詩子がお冷を出してくれ、マサくんはケーキの箱詰めをしながらもメニューを差し出してくれる。
気が回る子達ね。
それに対し、オーナーである隆二くんは何やってんのかしら。
「マスター、注文聞いてもらえます?」
ケーキの箱を組み立てながらマサくんが言うと、奥からのっそりと隆二くんが出てきた。
「はい、いらっしゃ……あれ、康子さん」
「はぁい。大盛況ね」
「ああ。なんかこの近くでイベントあったみたいだな。もう14時になるところなのに食事のオーダーが多い」
「そうね。今日はケーキでてるの?」