ショコラ SideStory

 その後しばらく園内をみて。足が少し痛くなってきたから帰ることにした。


「今日から同じ家に帰れるな」

「そうね。不束者ですがよろしくお願いします」

「なんだよ、改まって」

「一応ゴアイサツよ」

「じゃあ、俺も」


そう言って、隆二くんは私を後ろから抱きしめた。


「ケーキ馬鹿ですがよろしくお願いします」


耳にかかる息が、涙腺をくすぐる。


「……そこ開き直っちゃう?」

「開き直る以外にできることもないし?」

「そうね」


本当に我慢出来るのかどうかなんて分からないけど。
今日は寛大な女になりましょう。

そう思えるのは、夢の国で魔法をかけられたからかもしれない。







【fin.】


< 77 / 432 >

この作品をシェア

pagetop