悪魔のようなアナタ ~with.Reiji 2~
「まさか……」
玲士の顔から血の気が引く。
玲士を汚れた闇に引きずり込んだ、あの女。
この間キッチンで話した時の濡れたような黒い瞳が脳裏に蘇る。
――――理代が、灯里に接触したのだろうか?
「……っ」
玲士はとっさに実家に電話をかけた。
今は20:30。
まだ皆、起きている時間だ。
数秒間のコールの後、電話が繋がった。
『はい、水澤でございます』
――――理代の声。
その声に玲士は背筋が強張るのを覚えた。
確信が胸に広がる。
普段、実家に電話をかけると母が真っ先に出る。
理代が出ることはめったにない。
ということは、理代は電話がかかってくることを想定していたのだろう。