悪魔のようなアナタ ~with.Reiji 2~
「――――あんたか?」
『……玲士君?』
「あんたが、灯里に何か言ったのか?」
玲士は呻くように言った。
問いかけではなく、確認だ。
玲士の言葉に、理代は電話越しにくすりと笑った。
『思ったより早かったわね。灯里さんから話を聞いたの?』
「……」
玲士はぐっと電話を握りしめた。
その顔がしだいに蒼白になっていく。
無言の玲士に理代は落ち着いた声で言う。
『あなたが私を許してくれないから、灯里さんに頼んだのよ』
「……っ!?」
『あなたが私を許してくれない限り、あなたが何人彼女を連れてきても、私は彼女たちにお願いするわ。だってもう、それしか方法がないんですもの』
くすりと電話越しに理代は笑う。
玲士は息を飲んだ。
――――これは、脅迫だ。
玲士が許さない限り、理代は何度でも玲士の相手にこの事実を告げる。
理代はそう言っているのだ。
そして実際、理代は既に灯里に接触した。