悪魔のようなアナタ ~with.Reiji 2~




理代の言葉に、玲士は思わずプツッと通話終了ボタンを押した。

ツー、ツーという音が電話口から流れる。


玲士がどんな思いで、灯里を見つめ続けたのか……。

どれだけの努力を、真心を重ねて、将来を誓うまでの仲になったのか。

理代は知らない。


こんなことで……


こんなことで、灯里との仲を壊されるわけにはいかない。


電話越しに嗚咽していた灯里。

きっと灯里は傷つき、混乱しているだろう。

灯里の声が、涙が、玲士を突き動かす。


玲士は携帯を取り、灯里にかけた。

しかし数秒間のコール音の後、繋がったのは留守録だった。



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