悪魔のようなアナタ ~with.Reiji 2~
「……灯里?」
何度かけても繋がらない。
恐らく電源が落ちているのだろう。
玲士は血の気が引いていくのを感じた。
――――灯里が、離れていく。
この手に掴んだと思っていた幸せ。
灯里との未来。
灯里の声、輝く瞳、笑顔……。
「……」
玲士はぎりっと唇を噛みしめた。
――――絶対に、灯里を離したくない。
自分はもう灯里と離れることはできない。
例え灯里が自分をどう思っても、灯里が嫌だと泣きわめいても。
――――例え灯里を、この闇に引きずり込むことになっても。
もう、離せない。
玲士は衝動に駆られるように携帯と財布を手にとり、部屋を飛び出した。
暗い闇が、玲士の心を蝕むように広がっていった……。