悪魔のようなアナタ ~with.Reiji 2~
ピンポーンと玄関の呼び鈴が鳴った。
灯里は驚き、目を見開いた。
――――誰だろう、こんな時間に。
呼び鈴は止まることなくひたすら鳴り続ける。
灯里は自室を出て階段を降り、玄関へと向かった。
鍵を開け、ガチャッと玄関のドアを開ける。
……と、そこに。
「……うそ……」
灯里は予想もしない人物の姿に、目を見開いた。
雨に濡れた真っ直ぐな黒髪の先から水滴が滴り落ちている。
いつもの透明感のある瞳は、暗い影を帯びて灯里を見つめている。
「玲士!?」
玲士は片手を玄関の脇の壁について肩を上下させている。
どうやら雨の中を走ってきたらしい。
いつもの冷静な玲士からは想像もできない姿だ。
驚く灯里に、玲士はそっと手を伸ばす。
……が。