悪魔のようなアナタ ~with.Reiji 2~
「……っ!」
灯里はとっさにその手をよけてしまった。
まだ心が混乱し、どうすればよいのかわからない。
さらにそこに玲士が現れ、灯里の心は混乱の極致に突き落とされた。
玲士を前にしても何を言えばいいのかわからない。
「……灯里?」
玲士の瞳がすっと細められる。
その暗く鋭い瞳に、灯里はびくっと自分の背筋が強張るのを感じた。
無意識のうちに一歩、また一歩と後ずさる。
灯里を見つめる玲士の目に、暗い光がよぎる。
――――闇を映したかのような、暗く鋭い光。
息を飲んだ灯里の腕を、玲士はぐいと掴んで抱き寄せた。
物凄い力で灯里の背を抱き、無理やりに唇を重ねる。
「……っ!」
灯里の全てを奪うかのような激しい口づけ。
灯里は逃れようと身をよじらせるが、玲士の腕は強く身動きひとつできない。
降りしきる雨の中。
二人の運命は、予想もしない方向に転がろうとしていた……。