悪魔のようなアナタ ~with.Reiji 2~
玲士がもし理代を愛していたのなら……。
灯里の前で、こんなに傷ついた苦しげな表情をするだろうか?
灯里は初めて会ったときの玲士の姿をぼんやりと思い出した。
玲士は中学の頃、灯里と同じぐらいの身長だった。
そして理代は、亮士と同年ということは玲士より6歳年上ということになる。
恐らく当時の玲士より理代の方が身長は高かったはずだ。
二人が並ぶ姿を思い描くと、幸せそうな姿より、なぜか玲士が苦しみ傷ついているような姿が脳裏に浮かぶ。
その表情は今、灯里の目の前の玲士の表情と全く同じだ。
灯里は息を飲んだ。
「灯里っ……」
玲士は縋るように灯里を抱きしめる。
哀しげな、切ない声が灯里の耳を打つ。
灯里はなすすべもなく玲士の腕に抱かれていた。
――――よくは、わからない。
けれど、多分……。
玲士は理代を愛してなどいなかった。
……そんな気が、する。