悪魔のようなアナタ ~with.Reiji 2~
そして、その前提で考えると……。
二人の間に、本当は何があったのか?
中学生の玲士と、その時大人だった理代。
灯里はある一つの可能性に気づき、内心で息を飲んだ。
――――まさか。
しかし玲士の苦しげな瞳はそれが真実であることを如実に示している。
玲士の苦しみ、悲しみ……。
瞳越しに、玲士の感情が灯里に流れ込んでくる。
「玲士……」
灯里は玲士の頬に手を伸ばした。
玲士は一瞬びくっとしたが、やがて灯里を抱きしめる腕から力を抜いた。
「……灯里」
玲士はそっと手を添えて灯里の目を正面から覗き込む。
――――傷ついた、切なげな瞳。
その瞳に、灯里は胸がキュッと痛むのを感じた。