悪魔のようなアナタ ~with.Reiji 2~



玲士は灯里の気持ちを知らない。

――――もう離れられないのは、灯里も同じなのだということを。


玲士が灯里の幸せを望んでくれるように、今は灯里も玲士の幸せを心から望んでいるのだということを。


この想いを玲士に伝えたい。

灯里はとっさに玲士の首の後ろに手を回した。


「……っ!?」


玲士の頭を引き寄せ、玲士の唇に口づける。

玲士の唇を舌先で割り、深く口づける。

恥ずかしさの極致だが、想いを伝えるためにはなりふり構ってなどいられない。


灯里はしばらくそうした後、そっと唇を離した。

二人の唇の間に透明な液体がつうっと垂れる。


「……好きだよ、玲士」


灯里は玲士の瞳を正面から覗き込み、言った。

……想いが伝わるように。

玲士は灯里の言葉に目を見開いた。


< 116 / 222 >

この作品をシェア

pagetop