悪魔のようなアナタ ~with.Reiji 2~
「……灯里?」
「あたしは玲士が望むなら、どこへでも一緒に行くよ。光の中でも、闇の中でも」
言い、もう一度口づける。
玲士は目を見開き、灯里をじっと見つめている。
灯里は玲士がいつもしてくれるように、玲士の髪や肩を優しく撫でた。
「過去なんて関係ない。あたしは玲士を幸せにしたい。玲士があたしを幸せにしたいと思うように、あたしも玲士を幸せにしたいの」
「……っ」
「頑固だからね、あたしは。あたしは絶対に玲士と二人で幸せになるの」
灯里は玲士の頭をぐいっと自分の胸元に引き寄せた。
灯里の胸に玲士の頬が当たる。
灯里は両手で玲士の頭を抱きしめ、天井を見ながら言った。
「ほっとけばいいよ、あんな人」
「……灯里……」
「玲士が許したいと思った時に許せばいい。でもあたしとしてはあと20年ぐらい許す気ないけどね」
灯里は玲士の頭を抱きしめる腕に力を込めた。
なんだか言っているうちに怒りがふつふつと沸いてくる。
玲士をここまで傷つけた女。
玲士の心を闇に突き落とした女。
灯里は玲士の濡れた髪をそっと指で撫でた。