悪魔のようなアナタ ~with.Reiji 2~




灯里はキッチンで水を一杯飲み、洗面所で柾貴の部屋着を棚から出して部屋に戻った。

既に雨は上がり、晴れ間が見えている。

両親は夕方には帰ってくる予定だ。

それまでに玲士の服を洗濯し、干して乾かさねばならない。

その間、玲士には柾貴の部屋着を着ていてもらうしかない。

長さは足りないだろうが、仕方がない。


玲士の服が乾くまでの間、やることはいろいろある。

まずは朝ご飯を用意して、ITパスポートの勉強をして……。

ITパスポートの試験は来週だ。

今日と明日でがっつりと勉強しなければならない。


灯里は柾貴の部屋着を手に自室へと戻った。

部屋着を机の上に置き、そろりそろりと玲士に近寄る。

玲士は胸を上下させ、すぅと寝息を立てている。

その穏やかな横顔に灯里はそっと指を伸ばした。

その時。


「……っ!?」


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