悪魔のようなアナタ ~with.Reiji 2~
「さ、食べよう」
「うん」
いただきますと言い、灯里はオムライスにスプーンを伸ばした。
相変わらずふわっ、とろっとしたクリーミーな卵だ。
味も前に玲士の家で食べたものと変わらない。
家にある材料でもこれだけの味のものができるんだ、と灯里は感心しつつパクパクとオムライスを口に運んだ。
「……相変わらずいい食べっぷりだね、お前」
「へ? そう?」
「そこまで美味しそうに食べてもらえると、作り甲斐があるよ」
玲士は嬉しそうに笑い、灯里を眺めている。
その柔らかい笑顔に灯里は思わずドキッとした。
――――昨日の暗い影は全く感じられない、穏やかで優しい笑顔。
この笑顔に灯里は弱い。
玲士が自分の幸せを願ってくれるように、灯里も玲士を幸せにしたい。
この笑顔をずっと傍で見れるように。
この笑顔が曇らないように。
灯里はぐっとスプーンを握りしめた。
玲士がたくさんの幸せを灯里にくれたように、灯里もたくさんの幸せを玲士にあげたい。
例え何があろうと、玲士と離れない。
そう、心の中で誓いながら……。