悪魔のようなアナタ ~with.Reiji 2~
こんなことを灯里に言えるはずもない。
玲士はぐっと手を拳に握りしめた。
灯里の望みを聞きたいという気持ちもある。
けれど胸の中は切望で荒れ狂い、何かの拍子に口に出してしまいそうになる。
身勝手な欲だと分かっていても、それは止まるところを知らない。
玲士は腕を組み、夜空を見上げた。
夜空にどんどん打ちあがる、色鮮やかな大輪の花……。
玲士は花火を見上げながらため息をついた。
灯里の望みを、願いを聞きたいと思っているのは本当だ。
それなのに……。
やがて袋を手にした灯里が戻ってきた。
その嬉しそうな輝く瞳に視線が吸い寄せられる。
玲士は目を細め、灯里が自分の方へと歩いてくるのをじっと眺めていた……。
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